登場人物とあらすじ

登場人物
時雨:『束ねる者』。禁忌を犯し、『天下り』の刑に遭う。雪名の姉。
雪名:『束ねる者』。禁忌を犯し、『天下り』の刑に遭う。時雨の妹。
雷三:『束ねる者』。禁忌を犯し、『天下り』の刑に遭う。時雨の友人。恋人未満?

天音:『誘う者』。人を小馬鹿にしたような態度をとる、時雨の幼馴染。

結:地球で三人が出会う少女。体が弱く、『風邪』が原因で入院中。承の妹。
承:結の姉。結とは違って健康体だが、結を見舞ってよく病院を訪れる。



あらすじ
死者は天に昇る。
魂はまっすぐに月に向かう。
太陽の光を反射して輝くだけの。
漆黒の夜の闇の中で死した光を放つ月へと。

月には人が住む。
正確には転生による新たな生を待つ『死者』と、
死者の魂の水先案内人となる、月へと『誘う(いざなう)者』、
月でそれらをまとめ、月の秩序を守る、『束ねる者』、
そして、生前の行ないをもとに魂を『裁く者』、
これら三つの月の民とが。

誘う者は『一つの魂も見逃してはいけない』。
束ねる者は『一つの魂にも共感してはいけない』。
裁く者は『一つの魂にも手心を加えてはいけない』。
禁を破った者に下される罰は、下界、つまり地球への永久追放。
それが――『天下り』。

ある時、『束ねる者』である時雨、雷三、雪名の三人は禁忌を犯して
一人の『死者』に肩入れしてしまい、『天下り』の刑を受ける。
体の弱い雪名は地球上では長く生きられず、雪名を月に戻すためには
108万人もの命を奪う必要があると告げられ、時雨と雷三は苦悩する。

そんな折、三人は『風邪』で入院している一人の少女と出会うのだった――


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