ホラー短編集

隠す理由もないのでぶっちゃけると『四字熟語』シリーズの主人公は実は同一人物。ただし時系列はバラバラなので注意が必要。
いや、注意したところで何もないから注意不要か。
さらに実はフルネームは丁寧に読んでいけば少しずつ明らかになりつつある。
なりつつあるけど、それも知ったところで何もないからどうでもいいか。


家庭菜園(2008年)
原点:無し

原点と言える原点は無いと思うんだけども、強いて挙げればよくあるホラーが原型だと思われる。読んでみれば分かると思うのだけど、本当に“よくある話”。
あとは、なんでこんな話を書こうと思い立ったのかというと、その切っ掛けは、近代麻雀オリジナルとかいう隔週雑誌に載っていた、昔、少年チャンピオンで『恐怖の種+』という作品を描いていた作者とかが連作した、麻雀にまつわる恐怖談集を読んでのこと。
具体的には、ある暑い夏の日に、主人公の弟が麻雀やろうと言って、通りすがりの人とかを集めてくる話。
詳細は割愛するけど、これも、よくある話だと思う。
あと、アップロードした日から見てもらうと分かるんだけども、まぁ、お盆だからね。


最終電車(2008年)
原点:無し

『怪談の学校』という本をたまたま古本屋で見つけて購入したところ、その中に『怪談とは、それぞれの話に見合った恐怖のツボがあるはず』で、『そのツボを探り当ててそれを中心に話を全て組み立てなければならない』みたいなことが書いてあって、なるほどなぁと思ったので、じゃあ僕が怖いと思うツボってどこだろう。と探った結果の産物の一つ。
舞台設定が年末の時期なのは、アップロードに合わせたわけでもなんでもなくて、単なる創作上の偶然。
これと次の『特撰醤油』が見つけたツボなんだけども、怖いと思ってくれるかどうかと、そのポイントが一致するかどうかは神のみぞ知る。
どうだったか教えてもらえると喜びつつ参考にするのでよろしければ、レスなど。
ちなみに、その本によると、これは怪談ではないということになる、のかな。たぶん。
ちなみのちなみに、その『怪談の学校』という本は僕にとってはものすごくためになったので、文章書きさんにはちょっとオススメかも。


特撰醤油(2008年)
原点:無し

恐怖のツボの二つ目。当初はもっとシンプルに、ツボを一つだけにしようと思っていたのに、書き始めてみたら枝葉が増えすぎてもう何がなにやら。ツボを際だたせるために重ねたポイントが逆にツボをぼけさせてしまうという結果になってそうな気がする今日この頃。
ちなみに、ホラー作品のタイトルが(少なくとも今のところ)全部漢字四文字で、ホラーっぽくない(特に特撰醤油なんて、それだけ聞いたらどこがホラーなんだかという感じ)のは、何となく+オチを読ませないようにしようと思ったせいだったり。ノリで始めて、引っ込みつかなくなって後悔するのは結構良くある話。
こういった作品解説のページの文体が常体なのも、そういった理由。本当は敬体で書きたいし、そっちの方が楽なのに。


趣味自慢(2010年)
原点:無し

恐怖のツボの三つ目。ツボにしたかった点は自分ではちゃんと分かってるんだけども、書き出してみたらそれを明確に表現するのが難しすぎて伝わらなくなってしまった。
というか途中から方向性が大いにズレた。
理由は単純に、とある単語を出したくなかったせい。
できることならタイトルにしたかったぐらいの単語だけど、それがオチなのでできなかった。でも上手い人はそれでもちゃんとできるんだろうとも思う。精進せねば。その内に、エッセンスを抽出し直して書き直すかも。
原点は無いと書いたが厳密に言えば、うえやま洋介犬さん(
『30秒怪奇妙漫画ブログ「イヌギキ」〜犬列異伝〜』)の桂さんシリーズの一つに着想を得た。
あとはニーチェ。怪物と戦う者はうんぬん。
桂さんはもっと自分がマンガの登場人物であることを自覚した方が良いと思う。
量子力学的には観測者の存在が観測結果に影響を及ぼすが故に、観測者は観測してしまった時点でただの客観的な観測者ではなく主観的な事象の一部と化してしまうのだ的な。
ついでに少し触れておくと、『イヌギキ』はそこそこお勧めの短編ホラーマンガブログ。でも最近は、グロければいいだろ、おぞましいクリーチャー出しとけばいいだろ、と安きに流れているような気がしてならない。LaLaLaも読者の心理の裏をかく展開じゃなく、ただただなんとか引っ張りたいという行き詰まり感が窺える。
気のせいなら良いのだが。


月刊連載(2011年)
原点:無し

オチ至上主義集大成。のような気がする。
段々と僕はホラーってこの手のしか書けないんじゃないだろうかと思い始めた。でもホラーって結局、日常だと思っていたものの裏が最後にべろんと表に出てきて、そのギャップにゾクゾクッとするのが定型の一つである気もするからどうなんだろう。
ちなみにこのシリーズで書きたいツボは全部ちゃんと違うので、その違うツボが全部分かってる人はすごいと思う。すごいと思うけど、伝わってないのは僕の負けで、“そういうの”を明文化するのは趣味じゃないから答は書かない。
最近やたらとオチに関係ないところを書きまくるクセがついてきた。
個人的にはいい傾向だと思っているのだが、読む方としてみたらたまったものじゃないのかも知れない。
でもこれは半分わざとで半分無意識なので、バランスがとれるまではどっちかに大きく偏ることご了承の上、お読みいただけると幸い。



携帯電話(2011年)
原点:無し

思いついたものをもうホント無差別に書いて片っ端からアップロードするのはどうなんだろうと少し思う。
需要ガン無視な上に、供給過多ならまだしも過少で、波があるとか救いようがない。
さてさて、そろそろ書くことがなくなってきてこの文章にも行き詰まりが感じられてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕の行き詰まりと皆様とは全く関係ないですか、そうですか、そうですね、確かに。うん。(自己完結)
上の『月刊連載』は完全に最後のオチだけ先に思いついて、それが書きたいがためだけにその前を全部組み上げた作品。この『携帯電話』はラスト付近のセリフを書きたくて仕方がなかった作品。
基本的に僕は結末から逆算的に物語を全部構築するクセがあるのだけど、この二つほど極端なのは初めてかも。
短編なんて基本的にそんなもののような気もするけど、考え出すと抜け出せないドツボに嵌りそうなので思考停止。



新聞配達(2011年)
原点:無し

原点は無いけど、強いて挙げるなら、こないだ夜中に自転車で家に帰っている途中、道ばたに幟が立っていて、賃貸の広告なんだけど何故か女の人の上半身がでかでかと幟の下の方に描かれてて、それがパタパタと風ではためいていたのを見た瞬間に、ギクッとなった経験より。
なんでそうなったのかの理由は説明できるし、一応ある程度科学的な話も出来るけどここでは割愛。
それを伝えるのが“作品として書いてる”ということの意味だから。
ちなみにこれは妙に難産だった。実は半分ぐらいまで一回書いて、続きが書けなくなって、ゴミ箱に放り込んで、データを抹消してから、また新たに書き直すというプロセスを踏んだ。(わざわざ抹消したのは、そうでもしないと完成しなそうな気がしたから)
その数日後に頭の中で整理し直してもう一回新しいテキストファイル作ってから書いたら、一息に書き上げられたけど、なんでだろう。
ちなみにこれと『月刊連載』は同じ系統。ちょっと殻を破ろうと努力中なので生暖かく見てくれると吉。


通行禁止(2011年)
原点:無し

そろそろ四字熟語のレパートリーに限界が来つつある。どうしよう。
考想の最初はホラーの中でも別シリーズとして書こうと思っていたんだけど、諸事情により予定変更。
諸事情というか、ホラー用に用意してた別キャラクターを使うにはちょっと向いてないと思ったから。
でも当初の構想だと『彼』を主人公に据えるのは難しいと思っていたのでとても悩んだ。おかげでちょっとトリッキーな使い方になってしまった。
ついでに言えば、個人的なこだわりで、『彼』は1年に1つしか怪異に遭遇しない縛りがあるので、あとどう頑張っても十数個しか話が書けない。
ホラーは百個書いて百物語にしようという妙な目論見があるので、別シリーズを立てるしかないか。そうなると今のところまだお蔵入りしている、本物の霊能力者キャラが光を浴びる日が本当に来るのかも知れない。
予定は未定。
ちなみに、全然関係ないけど、1週間前に交通事故った。具体的には自転車で車に撥ねられて頭から道路に落ちた。『今日は大人しく安静にしてなさい』と医者に言われたので、大人しく安静にこんなのを書いていた。1週間経って言うことじゃないが、間違っていたような気がしなくもない。


欠席理由(2011年)
原点:無し

問:『Cotton1080%』はホラー短編専用ウェブサイトじゃないはずなのにどうしてこんなのばかりが増えているのか。
答:思いつくままに書いてアップしてると、思い付き易くて、書き易いものばかりが溜まっていくから。
もう1つの理由として、僕が小説を書く理由はストレス発散的な意味合いが大分強く、ストレスの大きさと物語の長さは相関関係があったりする。
だから、長編に取りかかるのは『仕事として』か『ストレスの大きさがそれに相当するほど大きくて』かの違いはあるにしても、それなりの動機が必要になるので、もうしばらくは取りかからない/取りかかれないかも。
書きたいネタだけは既に2,3あるので、今死んだりしたら後悔するんだろうな。
ちなみにホラー短編のネタストックは既にあと一つあるのだが、これも『彼』を主人公にしづらいのでどうしようかちょっと悩み中。


消波角塊(2014年)
原点:無し

原点は無しなんだけど、強いて言えば大好きな京極夏彦先生の『冥談』(だったと思う)の中の一作。モチーフは同じ。オチも組み立ても主眼に置いたものも違うけど、一応。
ぶっちゃけるとこれは冥談を読んだ時点で浮かんでいたプロットなので、二年くらいは形にしてないだけでずっと眠っていた。思いついた時点での構想と最終的な産物とがここまで齟齬がないのは実はちょっと珍しい方。
で、もう一つ、同じくらいの長さ寝かせているネタがあるんだけど、こっちは構想だけあって形は時と共に変転中。どういうことになるやら。
そして残念なことに、↑に書いている、『彼』を主人公にしづらいネタストックを忘れた。メモでもちゃんと残しておくべきだった……!
ところで、タイトル、テトラポッドを意識して書いたんだけど、伝わるものか。


呵々大笑(2014年)
原点:無し

原点は無しなんだけど、強いて言えばとあるホラーコピペ。出だしから想像した展開が違ったのでぼくならこうする。と書いたのがこれ。
ただ笑い続けるだけで怖いってのは、女優霊が原点とも言えるかも。
ついでに言うと、『欠席理由』で“ある”と書いて、『消波角塊』で“忘れた”と書いた、『彼』を主人公にしづらいネタストックがこれ。思い出した自分を誉めてやりたい。あと、意外と普通に『彼』を主人公に据えられてしまった。元々のコピペが大学生主人公だったせいでそのイメージに引きずられてただけで、実はそれさえなければ大した問題にはならなかった模様。固定観念や既成概念って厄介。
あとは、時とともに変転中のネタを何とか形にしたいところ。オチだけは決まっているので、そこへの持っていき方というか、そこへ至るまでの事件というか、を何とかしないと。
ちなみにタイトルは、『口を大きく開き、大きな声で笑うこと』なので、若干違う。まぁ、いいんです。
ちなみのちなみに、『笑い女』は“行き会ったら死ぬ”系の伝承のある知る人ぞ知るマイナー妖怪。山中で行き会うとげらげら笑われ、笑い女が指さした木や石にもげらげら笑われ、仕舞いには周り全部がげらげら笑っているように感じ、そのまま動けずにいると死んでしまうというちょっと変梃な。
なんだそれ。



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